短期海外留学奨学金プログラム

報告書

3年次(派遣時) 谷山七海

私は、海外奨学金プログラムで8月25日から9月14日までの3週間イギリスに行きました。イギリスでは、ロンドンで2週間のホームステイをしながら語学学校に通い、ロンドンの各地区を見てまわりました。そして、残りの1週間はチェルトナムという田舎町でホームステイをしつつ、プレイグループという子供の保育施設を訪問してきました。
初めてのホームステイだったので、渡英前からたくさん不安はありましたが、ホストファミリーに助けてもらいながら無事に3週間終えることができました。また、イギリスの都会と田舎の両方の生活をすることができたので、違いも分かり、とても良い経験になりました。 

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 まず、ロンドンでは、語学学校にも通ったので、たくさんの出会いがありました。韓国、日本、フランス、スペイン、トルコ、イタリアなど世界中からロンドンに英語を学びに来ていました。進学のため、就職するためと、みんなそれぞれ目的がしっかりしていて意欲的に学んでいました。授業中もフランス、イタリア、トルコの学生は分からないことをどんどん先生に質問していて、私は圧倒されていました。授業は私が思っていたよりも本格的で、正直授業についていくのが大変でした。私の日本での英語の授業は、文法が中心で、英語を話すという機会が少なかったように思います。しかし、語学学校では文法と共に、Speakingもあって、自分のことについて話したり、お互いの意見を言い合ったりと、英語の学習の仕方が日本に比べてとても実用的でした。私は、何を話せばいいのか分からないこと、英語を話すことに慣れていないことが相伴って、なかなか話すことができませんでしたが、周りの生徒からとても良い刺激を受けました。そして、ロンドンで生活していて、英語が世界共通語であるということと、英語を話すことができない、自分の意見を伝えられないと分かると相手にされないということを痛感しました。悔しい思いもしましたが、理解のある人は、私が分かりやすいように話してくれたりもしました。そういった体験を通して、自己理解ができ、今後の目標もできました。また、世界の人々からみた日本人の印象も見えてきて、とても面白かったです。

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語学学校の先生と

語学学校の仲間たちとの交流

 ロンドンは観光地ということもあって、いろいろな人種の人が街を歩いていて、街を歩いているだけで世界一周しているような気持ちになりました。外国人はマナーが悪いと聞いていたのですが、地下鉄に乗っていて、そういったことは感じませんでした。時折大声で話している人や、とても楽しそうに口笛を吹いている人もいて、見ていてとても楽しかったです。私は、黒人に対して怖いという印象をもっていたのですが、私が重い荷物を運んでいたとき、手を貸してくれたのは黒人の男性でした。イギリスは紳士の国と聞きますが、電車の中で席を譲る人もいれば、我先にと自分が座る人もいました。日本よりも女性に親切な国だと思いましたが、人によるのだということを感じました。人それぞれ育ってきた環境があること、それによって人格も大きく左右されるという、この大学で学んできたことを確認できました。
 私がロンドンで最初に衝撃を受けたのは、駅前で20代半ばの青年が「僕はお金を持っていない。少しでもいいから僕にお金をください。」という看板をたてかけて座っているのを見たときです。そのとき華やかな街の闇をみた気がしました。また、街のあちこちで「BIG ISSUE」というベストを着た人が雑誌を配っているのを見かけました。ロンドンで会った日本人の友達の話だと、それは、イギリスのホームレスの人専用の仕事の組織で、一定のノルマを達成すると昇格していくという仕組みになっているそうです。イギリスでも若い人たちの就職が難しいということも、学校で聞きました。どの国も様々な問題を抱えているのだと思いました。それと同時に、それを他人事として考えるのは良くないと思いました。世界で起こっていること、自分の周りで起こっていることに対して常に関心を持ち、そのことに対して自分の意見を持っていなければならないと、イギリスで外国人との交流を通して痛感しました。
 チェルトナムでは、教会のプレイグループに参加させてもらいました。2歳から4歳の子供たちと一緒に過ごしました。おもちゃで遊んだり、おやつを食べたり、お絵かきをしたりして過ごしました。日本の保育園としていることと変わらなかったと思います。私は以前、イギリスでは“please”を言うことが重要だと聞いていたので、私も常に意識しながら使うようにしていました。そして、その“please”がしつけでも使われていたので驚きました。イギリスで“please”はマジックワードと呼ばれているようで、子供が「ジュースちょうだい」と言って、先生が「マジックワードは?」と言うと、子供が「please」と言っていたので、“please”を使うことは日本でいう言葉遣いのしつけに近いのかなと思いました。
 チェルトナムは、ロンドンよりも時間の流れがゆっくりで街を行き交う人同士で挨拶をしたりしていました。時間にも自分の心にも余裕が持てているのだと思います。家族でゆったりと食後・食前の時間を過ごしたりと、チェルトナムのホストファミリーは家族、自分自身の趣味の時間を大切にしている様子でした。私にも親切に接してくれて、いろいろな話をしてくれました。料理もとてもおいしくて、毎日の夜ご飯がとても楽しみでした。私は、人に親切にしてもらうこと、気にかけてもらうことがこんなに嬉しいことだと思っていませんでした。ホストファミリーの優しさに触れて、私もこんな風に優しくなりたいと思いました。人に優しくされた経験があるから、人に優しくできるのだと、私は思います。だから、私も優しい人でありたいし、人に優しく接していくことで、優しさの連鎖が続いていけばいいなと思いました。

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ボランティア参加したプレイグループが開催されている教会

 私はこの3週間、日本にいてはできない貴重な体験をさせていただきました。実際に自分の目で確かめることで、自分がテレビや新聞で得ている情報は一部分でしかないこと、しかしその一部分で全てを判断してしまっていることに気づくことができました。そあいて、今まで難しいからといって逃げていた政治や経済のことにも関心を持って、自分の意見を持てるように勉強していかなければならないと感じました。20歳のこの時期に身をもって気づくことができて本当に良かったと思っています。このような貴重な経験をさせていただき、感謝しています。本当にありがとうございました。

3年次(派遣時) 八木 すみれ

 私は、3月9日から3月24日までの2週間、オーストラリアのブリスベンに留学させていただきました。私は以前、オーストラリアは国民の幸福度が高い国であるということを耳にしたことがあり、なぜオーストラリアでは国民の幸福度が高いのかを知りたい、そしてそこから人々の幸せとは何かということを考えてみたいと思っていました。また、他国の人々と交流したり、日本とは異なる文化や生活様式に触れたりすることで自らの視野を広げたいと思っていました。そんなときにこのプログラムを知り、参加することを決めました。
 この留学で、私はホームステイをしながら語学学校と老人ホームでのボランティアに1週間ずつ参加しました。放課後や休日には語学学校で知り合った友人やホストファミリーと一緒にブリスベンの観光名所や中心街、ビーチなどへ出かけ、オーストラリアの文化や自然を感じながら多くの人々と交流することができました。様々な人種の人々が暮らすオーストラリアはよく“人種のるつぼ”と例えられますが、街中を歩けば本当に様々な人種の人とすれ違い、それを実感しました。言語も基本的には英語が聞こえてきますが、電話や友人同士の間などでは英語以外の言語で話す人を見かけることもしばしばありました。また、和食、中華料理、メキシコ料理、タイ料理など世界中の様々な食べ物がそろっていて、現地のスーパー以外にもコリアンマーケットやチャイナタウンなどがあり、そこではアジア系の人々をたくさん見かけました。オーストラリアでは様々な文化が共生しており、どの国からきた人でも暮らしやすそうだと感じました。
 語学学校では、韓国、モンゴル、ベトナム、スペイン、コロンビアなど世界中の各地から生徒が集まっていました。語学学校で同世代の人と英語で交流すると、お互いの国の文化や特色など初めて知ることばかりでとても刺激的でした。様々な国民性も垣間見え、一概には言えなくともやはり国によって勤勉だったり楽天的だったりと、傾向があるなと感じました。授業中などほかの国の学生は積極的に質問をしていて、日本の授業風景とは違うなと感じました。控えめであまり主張しないのも日本人の良いところの一つだとは思いますが、この積極性を見習いたいとも思いました。初めは英語が聞き取れなかったり自分の考えを英語で表すことが難しかったりしましたが、英語がうまく話せなくても、笑顔でいることがコミュニケーションをとるうえで最も大切なことだと感じました。笑顔で挨拶をすると相手も笑顔で話しかけてくれて、初対面でも打ち解けることができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。
 老人ホームでのボランティアでは、同世代の人々と交流するのとはまた違った難しさと学びがありました。特に苦労したのはやはり英語での会話ですが、レジデントの方々は私に対して孫のように優しく接してくれ、一緒にゲームをしたり散歩をしたりする中で打ち解けることができました。オーストラリアの老人ホームは、介護な必要なお年寄りが集まるというよりは、仕事を辞めて子供も独り立ちした人々が引っ越してきて暮らすといったシステムでした。そのため、職員の介助がなくても生活できる人が多く、職員が忙しいときにはレジデント同士で助け合う様子が見られました。施設の中には、美容室やシアタールーム、カフェ、図書館、バブルバス、アロママッサージやネイルケアを受けられるビューティールームなどがあり、その充実した設備に驚きました。毎週金曜には、ミュージシャンや大道芸人を招いた“Happy hour”と呼ばれるパーティのようなものもあり、レジデントの方々は手を叩いたり笑ったりとても楽しそうで、ここはただ生活するだけではなく、楽しく暮らすための様々な工夫がなされていると感じました。人々がいきいきと暮らす様子を見ていると私自身も幸せな気持ちになりました。
 ホームステイ先の家庭は、子育てを終えて2人で暮らしているご夫婦でした。ホストファザーは水泳、ホストマザーは水泳とヨガが趣味で、早起きをして仕事に行く前や仕事から帰ってきてからなど、毎日水泳やヨガに通っていました。町を歩いていても、スポーツジムやプールがたくさんあったりジョギングをしている人が多かったりなど、人々の健康に対する意識が高いし、またそれを苦とせず楽しんでいる様子でした。多国籍国家のオーストラリアでは食事は家庭によって様々だと思いますが、私のホームステイ先では野菜と魚、もしくは野菜と肉類、それにフルーツなど、ワンプレートでヘルシーな料理をホストマザーが作ってくれ、私も手伝いました。奥さんが食事の用意をしたら旦那さんは後片付けをしてくれるなど、夫婦での役割分担がしっかりできていて夫婦円満の秘訣かなと感じました。
 オーストラリアでの人々との関わりの中で私が最も感じたことは、人々は時間にも心にも余裕があり、無理をしすぎていないということです。オーストラリアの人にとっては習慣なのかもしれませんが、朝、仕事に行く前にスポーツをしたり、カフェでくつろいでいるサラリーマンがいたり、仕事が終わる時間も日本と比べると早く、午後3時くらいからは街に人が増えてきて皆それぞれの余暇を楽しんでいる様子でした。仕事をするときには仕事に集中、息抜きするときは思い切り息抜きをするといったのがオーストラリアの人々がいきいきとしている1つの理由ではないかと、日本と比べてみて感じました。また、見知らぬ人でも目があったら微笑みかけたり挨拶をしたりするのはオーストラリアでは普通のことで、そういったコミュニケーションがとれるのもオーストラリアの人々の幸せと関係しているのではないかと考えました。
 初めての海外で不安もたくさんありましたが、様々な人との交流や異文化に触れることを通して、自分が今まで見ていた世界はとても限られたものだったと感じ、もっといろいろな世界を見てみたいと思うようになり、留学前よりも自発的に何かに取り組もうという気持ちが強くなりました。日本を離れてみて初めて実感する日本の長所や欠点も感じることができ、とても貴重な体験でした。幸せとは何かというテーマは難しいものですが、幸せについて考える多くの機会をこの留学で得ることができ、この留学で得たものをこれから自身の成長や、また将来の看護の場面でも是非活かしていきたいです。この留学の準備から実行まで、私と関わり、支えてくださったすべての人々に感謝しています。

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ホストファミリーと一緒に
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オーストラリアの家庭での食事例

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バイロンベイ(オーストラリア最東端)

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語学学校での交流の様子
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老人ホーム Regis Yerongaにて
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