学長挨拶

宮崎県立看護大学学長  平野 かよ子

 平成30年4月に着任しました平野かよ子です。初代の薄井坦子学長、そして瀬口チホ学長の後、三代目の学長として就任いたしました。21年間の歴史を刻んでこられた宮崎県立看護大学に加わらせていただけたことを大変光栄に思います。これからは教職員の皆さまと地域の関係者の方々のお力添えを頂き、本学を発展させていきたいと思っています。

 今日の社会は急速な情報化により保健医療のあり方も変容し、また、今後の18歳人口の減少等に伴い、看護系大学は新たな方向を見出し変革してくことが求められることと思います。平成も今年限りで、これからどのような社会が実現しようとしているのかは不透明です。このような時代にあっては、広く世界の動向や日本全国、また九州全域がどのようになろうとしているのかを踏まえ、全教職員で丁寧に話し合い協議し、法人化した大学を発展させることが重要と思っています。

 これまで私は主に保健師の実践と教育、研究を行ってきました。これからは本学がこれまでに培ってきた看護の理念を尊重し、自立・自律した看護専門職による看護実践を整理・分析、統合し、改めて体系化した看護学を発展させたいです。

 私事ではありますが、およそ50年前に私が受けた看護教育の中で唯一覚えていることは、「看護は科学でありアートである」「看護とは人々が安楽と希望をもつようにすることである」です。当時は入院患者への看護を中心として学びましたが、昨今人生100年の時代を迎え、看護には医療機関において急性期にある患者へ科学的な根拠をもって提供されるケアとともに、地域において自らが望む場所で保健と医療と福祉を統合し「地域づくり」として提供するケアも求められています。

 先日、大阪にあります淀川キリスト教病院の名誉院長の柏木哲夫先生が書かれたケアについてを読みました。先生はケアは四つに整理できるとし、その一つは病院などの施設内で安全で的確に専門職が「提供するケア」と、二つ目は回復期にある患者さんを「支えるケア」、三つ目は地域で暮らす方々に「寄り添うケア」、そして四つ目は人の力では解決できない問題を抱える方と「共に背負うケア」です。なるほどと納得できました。“看護とは何であるか“を初学者や一般の方々に伝えるには、とても分かりやすい整理だと思いました。それぞれのケアにおいて看護職が科学的な根拠をもって行うことは大切です。しかし科学的とは言い難い“アートとしての看護“も明確にして、人々が癒され希望が持てる看護を体系化し、それを皆様と共に宮崎県立看護大学から発信していきたいと願っています。