大学院後期課程(2021年度入学生まで適用)

3ポリシー

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)

本研究科では、次のような資質と能力、意欲をもった学生を求めます。

  1. 看護実践上の自己の問いを吟味し、社会的課題として位置づけ追究しようという意志を有する人
  2. 研究課題の構造を見定めて素材を集め、分析する力を身につけている人
  3. 看護学の発展に寄与し、地域社会に貢献しようとする意志を有する人

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施の方針)

本研究科は、地域に根ざした看護を活性化しより良い看護を創出するために、看護学の深まりとひろがりを追究しつつ、人々の健康支援に有用な活動を展開しうる看護専門職者の育成を目指し、以下の方針に基づいて教育課程を編成しています。

博士前期課程において修得した看護学的視点と研究方法論を前提に、学生がもつ看護学上の問題意識を、現段階における看護学の発達段階に照らして焦点化できるよう、分野毎(基礎看護学、応用看護学)に選択科目を配する。また、看護学研究の学的レベルを担保するために、共通科目を配する。特別研究では、指導教員の研究グループに参加しつつ研究体験を積むとともに、自己の研究計画が看護学の深まりとひろがりに貢献できるものであるかどうかを吟味しつつ、複数の教員から指導を受けることができる体制をおく。

ディプロマ・ポリシー(修了認定・学位授与に関する方針)

博士後期課程において、研究科の定める期間内で、履修科目(博士後期課程10単位以上)を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、博士後期課程では博士論文の審査及び最終試験に合格した者について、修了の認定がなされます。かつ、以下の能力を身につけていることを学位授与の条件とします。

博士後期課程では、看護専門職者を育成する教育者、自立した研究者としての研究能力を身につけている。すなわち、人々の健康問題の解決に向けて、それぞれの専門領域における新たな課題を自ら見出し、先行研究を探索し実践に密着した研究計画を立ててフィールドを開発し、実証的に研究を進めていく能力を身につけている。

教育課程の概要

博士後期課程には、教育課程として基礎看護学分野と応用看護学分野がある。

基礎看護学分野

 基礎看護学においては、看護の原基形態の内部構造の究明を前提に、今日の社会的要請に応えるために、既存の知識・技術だけでは解決できない諸問題に対して、基礎看護学に関連した教育研究活動を行い、新たな知識・技術の創出と実証をめざす。その内容として、実践を導く看護理論については、抽象度の高い本質論から、現実の諸問題の構造を見抜くために有用な表象論を明示し、さらにその段階化やシステム化をめざす。また、実践現場で経験的に獲得されているすぐれた技術の科学的な根拠を追究し、汎用可能な技術として開発していくための技術分析方法を教授し、看護基礎教育における看護技術の修得レベルを上げるための看護学教育方法の開発についても取り組む。また、看護の立場から感染制御を行う専門的な能力の向上をめざす教育研究に加え、健康を維持増進するための根拠ある看護実践能力の育成もめざす。

応用看護学分野

 応用看護学においては、社会情勢の急激な変化に応じて発生している多様な看護ニーズにどのような対応が求められているか、対象特性に応じた個別な看護実践を発展させるための教育研究を行う。その内容として、生命の連続性を支える立場から、地域特性や文化に応じた支援プログラムの開発、少子化・核家族化のもたらす育児不安や子ども虐待、健康障害によってもたらされる本人・家族の問題への支援プログラムの開発、医療を受ける対象の生活調整にいかにして看護の専門性を発揮するかという観点からの支援方法の開発、人間の根源である性・生殖に関する支援プログラムや 対象者を客観的にとらえるための尺度開発をめざし、周産期の高度医療に対応する支援プログラムや助産技術の開発に取り組む。また、地域の人々のQOLの向上を目指し在宅ケアシステムや地域ケアシステム構築に関わる方法の開発に取り組む。

分野

所属領域の決定と指導体制

「基礎看護学分野」又は「応用看護学分野」内のいずれかの領域を主専攻とする。

所属する領域内で、課程修了の要件として選択した科目(2単位)の担当教員が主研究指導教員となる。研究指導は複数制をとる。

特別研究(8単位)は、指導教員の研究グループに参加し、演習を行う。

所属領域の内容

基礎看護学分野を選択した場合、次の領域とする。

  • 基礎看護学
  • 看護学教育
  • 感染看護学
  • 健康増進看護学

応用看護学分野を選択した場合、次の領域とする。

  • 母子看護学・助産学
  • 成人・老年看護学
  • 成人・老年看護学

履修基準

課程修了の要件

3年以上在学し、10単位以上を取得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、博士論文の審査を受け、最終試験に合格する。単位の履修は、次の条件にしたがって、下表から履修する。

  • 主専攻領域の選択科目・・・ 2単位
  • 特別研究(主専攻領域の選択科目)・・・ 8単位

博士後期課程で設定された全科目群

  授業科目名 配当年次 単位数
基礎看護学分野
基礎看護学特講 1 (2)
看護学教育方法開発論 1 (2)
感染看護学特講 1 (2)
健康増進看護学特講 1 (2)
基礎看護学特別研究
(基礎看護学)
1~3 (8)
基礎看護学特別研究
(看護学教育方法開発論)
1~3 (8)
基礎看護学特別研究
(感染看護学)
1~3 (8)
基礎看護学特別研究
(健康増進看護学)
1~3 (8)
  授業科目名 配当年次 単位数
応用看護学分野
母子看護学・助産学特講 1 (2)
成人・老年看護学特講 1 (2)
公衆衛生看護学特講 1 (2)
応用看護学特別研究
(母子看護学・助産学)
1~3 (8)
応用看護学特別研究
(成人・老年看護学)
1~3 (8)
応用看護学特別研究
(公衆衛生看護学)
1~3 (8)
  授業科目名 配当年次 単位数
共通科目 生命科学研究方法論 1 (2)
社会科学研究方法論 1 (2)
アカデミックライティング 1 (2)

開講科目

2021大学院シラバス(後期) (PDF:294KB)

基礎看護学研究領域

応用看護学研究領域

共通科目

博士論文審査規準

  1. 研究課題が適切か
  2. 問題意識から研究目的を定めるまでに十分吟味されているか
  3. 研究課題に即した適切な文献検討が行われているか
  4. 研究目的に即した適切で信頼性のあるデータが収集されているか
  5. 研究方法の独創性・信頼性・妥当性があるか
  6. データ分析および解釈の信頼性・妥当性があるか
  7. 研究の目的・方法・結果および考察が論理的に記述されているか
  8. 研究が倫理的に行われているか
  9. 看護学研究として独創性および有用性があるか
  10. 論文の構成力と表現力が十分であるか
  11. 研究結果を踏まえて、実践への提言がなされているか