別科助産専攻

 

別科助産専攻長挨拶

濱嵜 真由美
別科助産専攻長
濱嵜 真由美

助産師の役割は、産科医療技術が高度化・複雑化する中で、正常分娩の介助、妊娠、産褥、新生児の各時期におけるきめ細やかなケア、授乳や育児の相談・支援等です。宮崎県民が安心して子どもを産み育てる観点からも極めて重要な役割です。
別科助産専攻の助産師教育は、質の高い実践的助産師の育成であり、地域に密着した専門職業人を目指しています。さらに、県立看護大学の役割として、学び直しのニーズに対応したキャリア教育を充実させています。
1期生から3期生は、学士課程終了後の卒業生、看護師養成校卒業生、看護師資格を有する社会人の計41名が修了致しました。その内34名が宮崎県内に就職致しました。修了生の助産学実習が無事に修了できましたのは、宮崎県内の周産期医療ネットワークの拠点病院4か所と、4か所の診療所・病院、7か所の助産院、5か所の市役所の指導者の皆様の温かい指導のおかげだと感謝致しております。
令和2年度は、新型コロナウイルスの影響により、講義・演習・実習は新しい生活様式の配慮をしながら実施しています。令和3年度以降も宮崎県の母子保健・医療の課題を見据えながら、実習施設と大学の連携をとり効果的な実習を考えています。
是非、「まなび野の地」で宮崎県内の助産師を目指す熱意のある方のご入学をお待ちしております。

教育理念・目的、教育目標、3ポリシー

教育理念・目的

教育理念

豊かな人間性を持ち、宮崎の母子保健・医療・福祉に貢献できる実践力を持つ助産師を育成します。

教育目的

生命の尊厳を基盤とした豊かな人間性と、多職種との連携・協働できる協調性、深く高度な専門的知識・技術を修得し、助産師として、人々の健康と母子保健・医療・福祉の向上に貢献するとともに、助産学の発展に寄与する人材を育成する。

教育目標

  1. 正常な妊産褥婦・新生児の診断とケア、異常時に的確に対応できる専門的判断力と実践できる能力を育成する。
  2. 女性の一生を通じて、継続した支援ができるための高度な専門的知識と技術を修得し実践できる能力を育成する。
  3. 地域母子保健向上のために、母子と家族の生活を基盤にした健康保持増進への支援ができる能力を育成する。
  4. 母子の保健・医療・福祉関連領域の人々と連携・調整し協働できる能力を育成する。
  5. 助産師としての倫理観を基盤として、対象を理解することができる豊かな感性と対人関係を形成できる能力を育成する。
  6. 助産師として常に自己研鑽し、助産学の発展に寄与できる能力を育成する。

3ポリシー

アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)

  1. 人の生命や健康に関心を持ち、地域の母子保健や周産期医療の向上、女性の健康の保持増進に貢献したいという意思のある人
  2. 助産学を学ぶ上で必要な基礎学力を持ち、主体的に学ぶ姿勢を持つ人
  3. 他者の言葉に耳を傾け、自分の考えを論理的に表現できる人
  4. 宮崎県の母子保健・医療・福祉の発展に貢献する意思のある人

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施方針)

別科における助産師教育は、本県の母子保健や助産の向上を目指して、潜在的・顕在的ニーズを的確に把握し、県内のいかなる地域においても母子と家族のために質の高い助産ケアを提供できる人材育成である。そのために、豊かな人間性と高い倫理観を持ち、宮崎県民として、地域の母子保健・医療・福祉に貢献できる助産師を育成することである。

修了時には以下の能力をもつことを目指して行う。

  1. 分娩の介助を含め正常に経過している妊産褥婦・新生児への支援は主体的に独立してできる。
  2. 妊産褥婦・新生児の正常経過からの逸脱を早期に発見でき、予防的に対応することができる。
  3. 妊産褥婦と家族が生活の場において、自ら健康管理ができるように地域の特性を踏まえ、文化的・社会的側面も加味した支援ができる。
  4. 女性の一生を通してサポートでき、妊娠・分娩・育児と切れ目なく継続した支援ができる。
  5. 地域の診療所や助産所、保健所などと連携・調整し、社会資源を活用した支援ができる。

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)

教育目標に対応させて、助産師をめざす修了生として修了時にみつけていることを望む姿として以下に示します。

  1. 正常な妊産褥婦・新生児の診断とケア、異常時に的確に対応できる専門的判断力と実践できる能力を身につけている。
  2. 女性の一生を通じて、継続した支援ができるための高度な専門的知識と技術を修得し実践できる能力を身につけている。
  3. 地域母子保健向上のために、母子と家族の生活を基盤にした健康保持増進への支援ができる能力を身につけている。
  4. 母子の保健・医療・福祉関連領域の人々と連携・調整し協働できる能力を身につけている。
  5. 助産師としての倫理観を基盤として、対象を理解することができる豊かな感性と対人関係を形成できる能力を身につけている。
  6. 助産師として常に自己研鎮し、助産学の発展に寄与できる能力を身につけている。

カリキュラム

カリキュラム

授業科目・概要

授業科目一覧

区分 授業科目 配当年次 単位数 1単位当たりの時間数 卒業要件
必修 選択
助産の基礎 助産学概論 前期 1   15 必修9単位
選択1単位
生命倫理 前期 1   15
女性と健康Ⅰ 前期 2   30
女性と健康Ⅱ 前期 1   30
周産期の病態生理 前期 2   30
乳幼児の成長発達と家族への支援 前期 1   15
健康教育論 前期 1   15
情報科学演習 前期   1 30
助産の実践 助産診断・技術学Ⅰ(妊娠期) 前期 1   15 必修12単位
助産診断・技術学Ⅱ(分娩期) 前期 2   30
助産診断・技術学Ⅲ
(産褥・新生児期)
前期 1   15
助産診断・技術学演習Ⅰ(妊娠期) 前期 1   30
助産診断・技術学演習Ⅱ(分娩期) 前期 1   30
助産診断・技術学演習Ⅲ
(産褥・新生児期)
前期 1   30
地域母子保健 前期 1   15
地域母子保健演習 前期 1   30
助産過程演習 通年 1   30
助産管理学 通年 2   30
助産学実習 助産学実習Ⅰ(妊娠期) 通年 2   45 必修12単位
助産学実習Ⅱ
(分娩期、産褥・新生児期)
通年 7   45
助産学実習Ⅲ(継続事例) 通年 1   45
助産学実習Ⅳ(助産業務管理) 通年 1   45
助産学実習Ⅴ(地域母子保健) 後期 1   45
研究 助産研究Ⅰ(基礎) 前期   1 15

選択1単位以上

助産研究Ⅱ(実践) 通年   1 30
34単位以上

授業科目の概要

助産の基礎

  • 助産学概論
    助産学の基本的概念およびそれに関連する理論を理解し、社会的責務を遂行するための助産師の役割や業務範囲、関係する法的基盤を理解する。また、助産の現状と動向、母子保健の変遷、助産師の責務、職業倫理について理解を深め、諸外国の動向を学ぶことで、これからの助産学の方向と助産師のあり方について考える。
  • 生命倫理
    生命とは何か、いのちはなぜ尊いのかという原点から生命と倫理について学ぶ。周産期における生命倫理(生殖医療、出生前診断など)の現状と課題、関連した法律、支援方法などについて理解する。さらに日常の助産業務の中でのケアの質を高め、妊産婦の自己決定を保障するための基本理念として、インフォームドコンセントのあり方を理解し自己の生命倫理観を培う。
  • 女性と健康Ⅰ
    思春期から老年期までを含む女性のライフサイクルにおける健康問題や性と生殖の問題に対して援助を行うための基本的知識が理解できる。思春期では性感染症や性行動、セクシャリティ、やせ、月経問題について、成熟期では、月経障害、不妊、家族計画、ドメスティックバイオレンスについて、更年期では、更年期障害、子宮筋腫について学ぶ。
  • 女性と健康Ⅱ
    生活環境(薬剤、環境汚染、放射線、喫煙やアルコール、歯科保健など)が母子に与える影響について理解し、健康を維持増進するための支援を修得できる。女性のライフサイクル各期における栄養や妊産褥婦の病態について理解を深め、演習を通して対象への適切な支援方法を修得する。
  • 周産期の病態生理
    妊産褥婦および胎児・新生児の病態生理、周産期各期の正常と異常(妊娠悪阻や流早産、子宮外妊娠、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、分娩遷延、産科ショック、緊急処置、子宮復古不全、乳腺炎、産後うつ、低出生体重児や双胎児など)の経過について学ぶ。また、ハイリスク児の病態生理や性機能発達、精神的問題を有している妊産褥婦の状態についても理解する。
  • 乳幼児の成長発達と家族への支援
    子どもの心身の特徴や発育過程、評価方法、健康診査や保健指導をするうえで必要な母子の特性について理解を深める。さらに母性、父性意識の発達や親役割獲得過程および育児期にある家族の支援(虐待、ネグレクト等)について理解を深める。社会情勢・地域性を踏まえた支援方法について学ぶ。
  • 健康教育論
    母子保健対象者及び家族のニーズを把握し、ヘルスプロモーションの理念を基に健康教育の意義・展開のための理論と技法を学習する。それを踏まえて個人と集団の指導案を作成し、健康教育の模擬授業を行う。
  • 情報科学演習
    講義・演習・研究において、問題解決ツールであるソフトウェアやネットワークについて理解し、和文献の文献検索を学ぶ。また、統計解析するための基本的な知識(Excelを用いた記述統計)と分析方法を学ぶ。

助産の実践

  • 助産診断・技術学Ⅰ(妊娠期)
    妊娠期の母体の生理的機能を理解し、妊婦と胎児の正常経過と異常を判断するために必要な基本的知識(妊婦健康診査や保健指導含む)を学習する。またハイリスク妊婦へのアセスメントとケアについても学習する。
  • 助産診断・技術学Ⅱ(分娩期)
    分娩期の母体の生理的機能を理解し、産婦の正常経過と異常を診断するために必要な基本的知識を学習する。分娩介助、主体性を尊重した産婦や家族への支援等について理解する。また異常分娩や産科医療処置等についても学習する。
  • 助産診断・技術学Ⅲ(産褥・新生児期)
    褥婦の身体的、心理的、社会的側面から助産診断を行い、助産過程に必要な能力について学ぶ。また、産褥期に必要な助産技術の知識を学び、助産技術が必要となる過程を説明できた上で実践に必要な技術を理解し、説明できるようにする。新生児の生理的機能、成長発達過程を理解し、的確に助産診断できるように学習する。また、産後うつなどのハイリスク褥婦やハイリスク新生児への支援について学ぶ。
  • 助産診断・技術学演習Ⅰ(妊娠期)
    助産診断・技術学Ⅰで学んだ理論や知識をもとに、妊娠期の援助を行うために必要な技術を修得する。妊婦健康診査技術、基本的な超音波画像診断技術、妊娠期の生活支援等について修得する。また出産準備クラスの企画・運営についても学習する。
  • 助産診断・技術学演習Ⅱ(分娩期)
    助産診断・技術学Ⅱで学んだ理論や知識をもとに、分娩期の援助を行うために必要な助産診断および分娩介助技術、出生直後の児のケアや技術を修得する。また、ハイリスク分娩時の介助技術や会陰裂傷縫合術、産科危機的出血時の対応等について理解する。
  • 助産診断・技術学演習Ⅲ(産褥・新生児期)
    助産診断・技術学Ⅲで学んだ知識・技術をもとに、産褥期、新生児期の援助を行うために必要な技術を習得する。また、健康な母子に対する助産診断を行った上で必要な保健指導を主体的に行う能力を養う。新生児においては、新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)の取得を目指す。
  • 地域母子保健
    母子を取り巻く社会情勢の変化の中で、母子とその家族の健康状態を地域特性に関連付けてアセスメントし、地域母子保健活動における助産師の役割と機能について考えていく。また本県の地域で生活する母子の健康問題、活用できる社会資源、中山間地域の母子保健の課題と現状について理解する。
  • 地域母子保健演習
    本県の母子保健の現状を理解するために母子に焦点をあてた地区診断を行い、事例やフィールドの分析、様々な援助機関などの内容について学習する。市町村が行う母子保健事業を通して、地域における健康支援の実際を学ぶ。また、母子とその家族の健康状態を地域特性に関連付けてアセスメントし、助産師の視点に基づいた母子保健におけるヘルスプロモーションを考察していく。
  • 助産過程演習
    対象となる母児やその家族の特性を理解し、助産学実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの実習を通して、妊娠期、分娩期、産褥・新生児期の事例を用いて助産過程の展開の振り返りを行い、助産診断・実践・評価能力を修得する。
  • 助産管理学
    助産管理の概念や法規、周産期の医療事故と予防対策、助産所・診療所及び産科病棟の管理運営について学習するとともに、本県の周産期管理システムについても学習する。さらに、災害時の助産管理の在り方についても学習し、助産管理の視点から助産師の専門性について考える。

助産学実習

  • 助産学実習Ⅰ(妊娠期)
    妊婦健康診査や保健指導を通して、妊婦と胎児の健康状態や健康課題を診断する能力、妊娠経過の正常・異常を診断するための能力、妊婦とその家族のセルフケア能力を高める助産実践能力を修得する。集団指導である健康教育を含む。
  • 助産学実習Ⅱ(分娩期、産褥・新生児期)
    正常分娩の介助技術の修得、産婦やその家族の主体性を尊重した助産ケアの提供、正常・異常を診断するための実践能力を養う。また、助産ケアの実際を通して、妊産褥婦のセルフケア能力を高め、新生児の母体外生活の適応をはかる助産実践能力を修得する。
  • 助産学実習Ⅲ(継続事例)
    妊娠期から継続して1事例を受け持ち、継続した助産ケアの実際を通して、対象とその家族へのセルフケア能力を高める助産実践能力を修得する。主に病院や診療所において、正常な経過をたどる産婦の入院から退院までを受け持ち、助産計画にそって分娩介助を10例実施する。助産師外来においては、正常妊婦の経過を診断し、well-beingのための相談・教育を行える診断技術を修得する。
    また、異常分娩に対する応急処置の見学・実施を行い、助産師に必要なアセスメント能力と業務について教授する。妊娠中期から出産後6か月近くまでの長期にわたって継続事例の観察と援助を行う。
  • 助産学実習Ⅳ(助産業務管理)
    病産院施設における助産学実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの経験を踏まえ、地域において自律的に分娩介助および母乳外来を開業している助産所において実習する。地域で開業する助産師の妊産褥婦・新生児やその家族に対する包括的な助産ケアを実践し、助産師として自律的な活動を行うための助産管理、医師との連携、地域の自助グループの支援などを学ぶ。さらに将来、開業または施設における院内バースセンター等の開設を視野に入れた高度な実践能力を修得できるよう教授する。
  • 助産学実習Ⅴ(地域母子保健)
    市町村の母子保健の特性・現状を理解し、助産師学生自らが地域における母親学級・両親学級・性教育の企画・運営を行う。その後、参加者・母親・学生・指導者と振り返りを実施し、健康教育の評価を行い、地域における助産師の役割について理解を深める。

研究

  • 助産研究Ⅰ(基礎)
    助産研究の目的と意義を理解し、研究課題に応じた研究方法、倫理的配慮、論文の構造、文献のクリティークについて学習する。3つのグループに分かれて、学生1名が1回は経験できるように運営する。
  • 助産研究Ⅱ(実践)
    特論・演習・実習を統合して、自己の課題について研究的手法を用い論文作成を教授する。
    研究の手法は、継続事例の事例研究、課題とするテーマの調査研究および文献研究等、自己の課題に沿った手法を用いる。評価は提出された論文内容と、作成の過程での指導教員による個人指導への取り組み、学習をもとに評価する。

年間スケジュール

4月 入学式、授業開始
5月 講義・演習
6月
7月 助産学実習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ
(妊娠・分娩・産褥・新生児:2週間)
8月
夏季休暇
9月 助産学実習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ
(妊娠・分娩・産褥・新生児:7週間)
(助産業務管理:2週間)
(地域母子保健:1週間)
10月
11月
12月
冬季休暇
1月 継続事例発表
2月 国家試験
研究発表
3月 修了式