学長からのメッセージ

学長からのメッセージ

宮崎県立看護大学学長 平野 かよ子
宮崎県立看護大学学長
平野 かよ子

「昨今の急激な情報化等により社会のあり様は大きく変化し、本学も新たな方向を見出し変革していくことが求められるだろう」と、これまでの学長挨拶で述べさせていただいていましたが、今回の新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、本学もまさに変革せざるを得ない渦中に置かれました。

ここ数十年の保健医療、看護の課題は、感染症は克服でき、これからは生活習慣に由来する『生活習慣病』の予防と治療と言われ出したところでした。しかし時々新たな形の感染症である新興再興感染症が途上国では蔓延し、先進国おいても注意が必要との警告は発せられてはいました。その一つが約8年前に日本でも流行した新型インフルエンザがあります。このインフルエンザはこれまで毎年流行していたホンコンA型B型インフルエンザとは違い、死亡率も高いウイルスであるということで、手洗い、うがいの励行はもちろん、各大学では入学試験の会場設定にも大わららでした。しかし、わが国では大きな流行は経験しないで収束し、新興再興感染症といえども日本の医療で十分に対応でき、そう怖いものではないと医療従事者をはじめ医療の体制を整備する医療政策者も思ったことと思います。そして、今回の新型コロナウイルス感染症です。このウイルスはその正体がまだつかめない未知のウイルスで、全世界に広まり、多くの方が感染し、亡くなっています。

本学においてもその感染拡大防止のための様々な取り組みをしています。まずは3密を守れる環境を整え、学生、教職員全員が自分の健康管理に努め、7月からはオンラインの遠隔教育ができるようにインターネット環境を整え、感染の第2波、第3波に備えてきています。このような感染拡大に迅速に備えることができるのは、本学が開設当初より感染看護学に力点を置き教育を行ってきていることもあります。学内において感染拡大に備えることはもちろん、この機会により新型ウイルスについて学びを深め、今後新たな感染症の発症の兆しを捉え、最新情報を的確に入手し、創意工夫を凝らすとともに、大学の持つ知見を地域の医療機関や福祉施設でも生かせるように地域へ向けても活動していく所存です。

しかし、感染症のパンデミックは、人々の健康とともに社会の仕組みを壊し、新たに再建しなければならないさまざまな課題を突き付けられています。そこにまた、容赦なく異常気象に由来する自然災害ものしかかってきています。 これから先、どのように暮らし、どのように大学で学ぶかを一人一人が考え、何を優先すべきなのかを熟考し、一人も取り残すことのないあり方を、新たな視点で考え、共に歩むことが変革の第一歩として求められることと思います。

学生の皆さんには、これまでのような教育内容を提供できないことも予想されます。そのよう中で、日々体験することが全てこれから看護職として育つための糧となるよう、皆さんとともに努力したいと思います。共に歩みましょう。