各プログラム紹介

短期海外派遣奨学金プログラム

チェンマイ(タイ)研修プログラム

本学はチェンマイ大学と学術・教育交流協定を締結しています。本プログラムの目的は、異なる生活文化の体験、異なる文化的背景を持つ方々との交流を通して、国際的な視野を身につけ、国内では得られない学びの機会をもち、将来の看護職者として成長する糧とすることです。
新型コロナウイルス感染症拡大のためプログラムが催行できませんでしたが、令和5年度、3年ぶりに現地でのプログラムを再開することができました。

5月にチェンマイ大学の学生が本学に短期留学した後、8月に本学学生6名と引率教員1名がチェンマイ大学に10日間短期留学しました。学生たちは到着したチェンマイ国際空港で久しぶりの再会を喜び合いました。
チェンマイ大学では、チェンマイ大学の歴史や概要、カリキュラム、タイの医療の現状や看護教育に関する講義を受け、本学学生は、日本の文化や医療、カリキュラム、学生生活のプレゼンテーションを行い、ディスカッションを通して、それぞれの国の医療システムや看護教育、生活習慣の相違性を知ることができました。

チェンマイ大学の学生からは常に温かい対応を受け、5月に本学で受け入れた学生さん達を中心に親交を深めました。また、現地学生さんたちとナイトマーケットや寺院などを訪れ、タイの食文化に触れ、信仰のあり方や文化の違いを体感できました。

研修日程

8月20日(1日目)

福岡空港-仁川空港-チェンマイ空港
チェンマイ大学事務職員と学生らともに寮へ


8月21日(2日目)

オープンセレモニー、オリエンテーション、タイの看護および医療システムについての講義、看護学部実習室、歴史博物館、サラフィボーンパタナ病院見学


8月22日(3日目)

VR学習体験シミュレーション、タイ伝統医学講義、チェンマイ大学メインキャンパス散策


8月23日(4日目)

チェンマイ植物園、博物館、マハラジナコーンチェンマイ病院見学


8月24日(5日目)

健康増進センターリージョン見学、オンタイファームにて染物・織物体験、交流会


8月25日(6日目)

各大学紹介、5日間のプログラム学び共有、修了式


8月26日(7日目)

ジンジャイ市場、ドイステープ寺院、民族衣装体験


8月27日(8日目)

寺院、チェンマイ学生と交流(マーケット等)
チェンマイ空港-仁川空港


8月28日(9日目)

仁川空港-福岡空港 福岡空港にて解散


オープンセレモニーでの集合写真
オープンセレモニー
実習室見学の様子1
実習室見学1
講義風景
講義風景
実習室見学の様子2
実習室見学2
講義受講風景
講義受講風景
学長と修了証書と共に
学長と修了証書と共に
修了式
修了式
寺院見学1
寺院見学1
寺院見学2
寺院見学2

参加した学生の感想

内田麻友(研修時4年)

チェンマイ空港に到着した時、以前ホストをして友達になったタイの学生さんが出迎えてくれて本当に嬉しかったです。

研修初日から、タイの医療や看護について学びました。タイでは、タイマッサージやハーブボールマッサージ、カッピングや鍼灸などの伝統的な医療が病院内で行われていました。薬剤や手術、リハビリだけではなく、人の手の温かさを感じられるような治療も大切にしていることがわかりました。
私は実際に鍼灸を初めて体験しました。鍼は全然痛くなく、この細い鍼が症状を改善するのだと思うと不思議な気持ちになりました。タイではこのような治療も含め、かかる費用は30バーツ(約120円)です。誰もが安価で医療を受けることができる仕組みに驚きました。その反面、十分な医療が提供されていない部分もありました。そのようなときこそ、自然の力と看護の力を使って患者さんができるだけ過ごしやすい環境を作っているのだと思いました。

チェンマイ大学では、授業でVRを使っていました。実際に体験すると、360°どこを見ても病院の環境だったので、わざわざ実習室に行かなくても医療環境がいつでもどこでも提供されて学習ができると思いました。看護大にも導入したら、またこの体験ができるのではないかなとわくわくしています。

授業の時以外は、タイの学生さんとともに様々な場所に行きました。夕食は主にマーケットで自分たちの好きなものを選んで食べました。日本で食べたことのない味や料理で、病みつきになりそうでした。マーケットでは、お土産以外にもタイパンツを買いました。観光の日は、タイの学生さんとタイパンツコーデにそろえて寺院やカフェを巡りました。おそろいのファッションでたくさん写真をとれてうれしかったです。

帰国するとき、タイを離れたくないと思うくらい、たくさんの思い出と友達ができました。今回の海外研修で医療や看護も含めてタイのことをもっと知りたい、まだまだ試していない料理や行っていない場所を制覇したいという気持ちが芽生えました。だから、もう一度タイの友達に会って、タイを楽しみたいです。

タイの伝統的な食事
タイの伝統的な食事
タイパンツ着用
タイパンツ着用
マーケットでの夕食
マーケットでの夕食
マーケットの様子
マーケットの様子
VR体験の様子
VR体験
タイの母子手帳
タイの母子手帳

韓国研修プログラム

4年ぶりに再開した「看護大生のための短期海外研修プログラム」の1つである韓国研修プログラムが、2023年8月30日より8日間の日程で催行され、学生10名(1年生2名、3年生2名、4年生6名)、教員1名が参加しました。交流大学である朝鮮看護大学(光州)とは、コロナ禍においてもオンライン交流を毎年続けてきましたが、ようやく対面での交流ができました。

参加学生たちは、研修前学習として、研修中の安全・健康管理のための講義を聴いたり、大学・宮崎を紹介するプレゼンテーションや交流する方々への質問などの準備を行ったりしました。また、「学生企画の日」の準備として、グループ別に学びのテーマを設定し、計画を立てました。

現地での研修日程

8月30日(1日目)

福岡空港集合-仁川空港
空港鉄道でソウル駅に到着後、KTX(新幹線)で光州市へ
ゲストハウスに到着(22時)後、翌日のプレゼンテーションに向け、リハーサルと練習


8月31日(2日目)

AM 光州市の歴史について学ぶ、国立アジア文化殿堂見学
PM 朝鮮看護大学施設見学及び交流会・グループ交流
夜 大学外でのグループ別学生交流


9月1日(3日目)

AM 朝鮮大学病院見学
PM 朝鮮看護大学学生企画グループ別学習「光州の歴史・文化に触れる」
夕食後、学生交流(24時まで)


9月2日(4日目)

KTXで光州からソウル市へ 「首都と地方都市の生活環境を比較する」


9月3日(5日目)

ソウルで学生企画研修(グループ別テーマ学習)


9月4日(6日目)

ソウルで学生企画研修(グループ別テーマ学習)


9月5日(7日目)

「南北朝鮮の歴史を理解する」DMZ・第3トンネルツアーに参加


9月6日(8日目)

仁川空港-福岡空港 解散

1 光州・朝鮮看護大学での研修活動

朝鮮看護大学では、看護技術演習、助産演習、コロナ禍で積極的に活用された訪問看護演習でのVRシステムを体験しました。

VRを活用した訪問看護演習
VRを活用した訪問看護演習
助産シミュレーション演習
助産シミュレーション演習
基礎看護技術シミュレーション演習
基礎看護技術シミュレーション演習

 

学生交流では、4つのグループに分かれ、それぞれの大学紹介プレゼンテーション、グループディスカッションを行いました。また、朝鮮看護大学の学生さん達が考えた「韓国の文化を学ぶ」プランをもとに、グループ別研修を行いました。韓国語、英語、日本語をまぜながら、それぞれ積極的にコミュニケーションをとっており、伝え合うことの喜び、文化の違いや共通点などを感じていました。また、韓国の学生さん達が、この日のために一生懸命準備していてくれたことが本学学生に伝わり、感激した様子でした。

学生の記録より

  • 生まれ育った環境は違うけど、同じ1人の女性、看護学生として共感できる部分がたくさんあり、完璧に言語が通じ合えなくても互いに学び合いながら交流できた。Onlineではなく直接会って話すことの楽しさ、面白さ、大切さを学んだ。
  • 韓国の学生に、韓国の歴史や政治(韓国の大統領についてどう思っているか)を教えてもらった。日本の学生より、自分の国に関心がある人が多いのかなと思った。
大学紹介プレゼンテーション
大学紹介プレゼンテーション
グループ交流の様子
グループ交流の様子

 

実習病院である朝鮮大学病院の見学では、救急(ER)、集中治療室(ICU)、一般外科を見学し、AIを搭載したMRI、新型コロナウイルス病棟の一部(展示・見学スペース)、健康増進センター(健診、人間ドッグなどができる)などを見せていただきました。学生達は、見学しながら日本の病院環境との違いに驚いたりしていました。

大学病院見学の様子

2 ソウルでの研修活動

南北朝鮮の歴史と現在を理解するため、南北軍事分界線から南北それぞれ2kmの非武装地帯(DMZ)と、第3トンネル(北朝鮮が韓国を侵攻する目的で作ったトンネルのひとつ)の見学ツアーに参加しました。

また、2日間は「学生企画研修」とし、事前にグループ別に立てた「観察・学びのテーマ」に沿った計画に基づいて活動しました(テーマ例:歴史に触れる/若者が行き交う場所の雰囲気を知る/現地の人とのコミュニケーションを図る/韓国の街並みや交通事情について観察する/施設や市場に行き、韓国の文化を体験して日本との違いや歴史を学ぶ/食文化を知る)。それぞれの活動を通して、様々な視点からの気づきが生まれていました。

学生の記録より

  • コルギ(骨気)体験をした。人体の構造をとてもよく理解してるなと思った。リンパの流れやツボ、骨などの形状に合わせて行っていた。思っていたよりも痛くなくて、とてもすっきりした。日本にはない体験だったためとてもよい経験になった。
  • 救急車が来ても、他の車はゆずらない。日本では、ゆずらない車が少ない、ほぼいないため驚いた。救急車に対する認識、意識が日本と大きく異なると思った。
  • 韓国のコンビニには、日本ほどジュースの種類がなかった。韓国はカフェが多く、コーヒーを飲む人が多いからなのかなと思った。ジュースは少なく、水の数が多かった。
  • 江南の太い通りのひとつ横の通りを歩いていると、たばこを吸っている人が沢山いた。少し歩けば違う集団が道の端から端までいた。日本では(宮崎では)そのような光景をあまり見たことがないので驚いた。たばこが一般的な嗜好品で、綺麗なパッケージも日本と似ているが、たばこが縦の繋がりを保つ場であることが、韓国の特徴だと思った。
  • 明洞屋台でおでんを食べたらとてもからかった。見た目は日本と変わらないので驚いた。反対に韓国の人が日本のおでんを食べても驚くのかなと思った。
  • 韓国の町を歩いていると、宮崎よりマスクを着けている人がはるかに少なかった。日本にいると、海外ではもうマスクを外している人が多いというニュースを見て、驚いたけど、韓国に来ると、抵抗感なくマスクを外せるので、周囲の環境は価値観に大きな影響を与えるのだなと思いました。
  • 電車内で、付せんを貼ってまわっている人を見た。内容を翻訳してみると、”家賃をふりこんでほしい”というような内容だった。観光客だけ、不思議そうにみていた。韓国ではよくあることなのかな?と思った。韓国での生活保護について気になった。
  • 日本では授乳室は女性専用であることが多いが、韓国での授乳室には、「男女共用」と書いてあった。『韓国・旦那・育児』と調べても、特別な記事はあまり出てこず、実際はどうなのか、気になった。韓国の男女間の文化が、日本と少し違うことや、育児を支える環境に男性がいることが普通であることは繋がりがあると思えた。

 

なんとか無事に終えた4年ぶりの韓国研修は、直行便の廃止、円安、燃油高騰などの影響で、学生にとっては参加費用が上がってしまい、負担軽減のためいくつかの活動を断念しました。韓国-宮崎の直行便が再開し、円安状況が改善すれば、今回断念した内容を少しずつ戻していきたいと思います。

サンノゼ(米国カリフォルニア州)研修プログラム

令和6年3月9日(土曜日)~3月21日(木曜日)、4年ぶりにカリフォルニア州サンノゼ市の海外研修プログラムが催行され、7名の学生(1年生2名、2年生5名)が参加しました。

出発前学習と準備

参加学生達は、事前学習として、研修中の安全・健康管理のための講義を受け、大学・宮崎を紹介するプレゼンテーション、高齢者介護施設の利用者さんとの交流(高齢者の身体の動きとコーディネーションに焦点を当てた紙風船を使ったアクティビティ)の準備、現地高校生や大学生との交流のための出し物などの準備を行いました。

現地での研修日程

3月9日 土曜日 (1日目)

福岡空港集合→仁川空港経由→サンフランシスコ空港
CalTrainでサンノゼ駅へ。コーディネーターと合流し、夕食後、それぞれのホームステイ先へ。


3月10日 日曜日 (2日目)  ホストファミリーディ

ホストファミリーと交流しながら、生活体験、異文化体験
・教会で礼拝体験
・シリコンバレーでアップルとグーグル本社見学
・学生はホストファミリーの夕食準備のため、中国系のスーパーにて買い物をし、それぞれの家で学生が日本の手料理を作る


3月11日 月曜日 (3日目)

午前 サンタクララバレーメディカルセンターで日本人のリハビリテーション専門医による病院見学と説明・質疑応答 (Dr. Kazuko Shem)

午後 現地で個人とカップルカウンセリングをされている日本人のアメリカ認定カウンセラーから、医療従事者とクライエントのメンタルヘルスに関する講義・質疑応答


3月12日 火曜日 (4日目)

午前 Los Gatos高校で日本語クラス学生との交流
本学生が自己紹介と日本・宮崎・本学の紹介発表と日本語のゲームを行った後、生徒とのバイリンガル交流

午後 キャニオンスプリング急性期後ケアセンター見学、日本人の作業療法士(吉川雅子氏)よりOTに関する講義・質疑応答


3月13日 水曜日 (5日目)

午前 サラトガ高校で日本語クラス学生との交流
本学生が自己紹介と日本・宮崎・本学の紹介発表と日本語のゲームを行った後、生徒とのバイリンガル交流
ミッションカレッジ看護プログラムシミュレーションルーム見学・カリキュラム説明・学生交流

午後 San Jose City Collegeで日本語クラス学生との交流
本学生が自己紹介と日本・宮崎・本学の紹介発表と日本語のゲームを行った後、学生交流と学生によるキャンパスツアー


3月14日 木曜日 (6日目)

午前 サンノゼ州立大学ウェルネス(保健)センターでセンター長と正看護師より見学・説明

午後 サンノゼ州立大学看護学部の授業に参加し、シミュレーションラーニングより気管切開チューブ交換演習


3月15日 金曜日 (7日目)

午前 日系人コミュニティ老年サービス(友愛会)でのレクチャー(本学学生のコロナ感染により、利用者の感染予防のため交流は中止)

午後 「日系人の歴史を知る」 サンノゼ日系人博物館見学とJapan Townツアー

夕方 ロスガトス高校でダンスパーティーに参加


3月16日 土曜日 (8日目)

ホストファミリーデー
学生がそれぞれのホストと一緒に最後の日を過ごす


3月17日 日曜日 (9日目)

サンフランシスコへ移動
ホテルに到着後、ホテルで学生企画研修の確認ミーティング


3月18日 月曜日 (10日目)

サンフランシスコで学生企画研修(グループ別テーマ学習)
学習テーマ例:サンフランシスコとサンノゼを比較する(気候、交通、生活環境、街や施設の特徴など)、食文化を学ぶ、歴史を知る


3月19日 火曜日 (11日目)

午前・午後 サンフランシスコで学生企画研修(グループ別テーマ学習)

夕方 サンフランシスコ空港へ移動


3月20日 水曜日 (12日目)

移動


3月21日 木曜日 (13日目)

仁川空港経由→福岡空港到着 解散

1 医療・看護に関する学び

 サンノゼでは、学生たちは、現地コーディネーターと共に、3次医療・教育・研究病院(サンタクララバレーメディカルセンター)、リハビリ・長期ケア・ホスピスサービスを提供する急性期後介護老人ホーム(キャニオンスプリング急性期後ケア)、ミッションカレッジ看護学科、サンノゼ州立大学看護学部、サンノゼ州立大学のウェルネスセンターを訪問し、カウンセラーと作業療法士(OT)のお話を聞きました。

サンタクララバリーメディカルセンター見学
サンタクララバリーメディカルセンター見学
現地のカウンセラーのレクチャー
現地のカウンセラーのレクチャー
サンタクララバリーメディカルセンター
サンタクララバリーメディカルセンター
キャニオンスプリング急性期ケア
キャニオンスプリング急性期ケア
ミッションカレッジ看護学科学生
ミッションカレッジ看護学科学生
ミッションカレッジ看護学科の見学
ミッションカレッジ看護学科の見学
サンノゼ州立大学看護学部の先生と
サンノゼ州立大学看護学部の先生と
サンノゼ州立大学看護学部の演習の様子"
サンノゼ州立大学看護学部の演習の様子

 学生たちの記録からも分かるように、学生は、衛生行動、多文化的ケア、健康保険制度、シミュレーションモデルの実習など、アメリカの医療制度と現在学習中の日本の医療制度の違いを認識することができていました。

学生の記録より

  • 病院に勤務している人たちがユニフォームを着たまま外を歩いているのを見た。聞くと靴を変える人がたまにいるくらいで、ユニフォームのまま買い物に行ったり、帰宅したりする人がほとんどらしく、とても驚いた。日本では菌を持ちこんだり持ち出したりするリスクがあるので絶対にありえないこと。
  • バリーメディカルホスピタルの案内板には、英語だけでなく、スペイン語やベトナム語でも表示されていた。アメリカでは、様々な国から人が集まるので、人の価値観や文化は様々でまた多様な背景を持っている。
  • 病院内の様々な部屋を見させてもらった。体重が重い人が移動できるようにシャワー室までリフトがのびていたり、ADL回復のために台所がリハビリ室に設置されていたりと、日本では見ないような施設がいくつもあり驚いた。リフトがあるのはアメリカならではなのかなと思った。
  • 日本人カウンセラーの方のお話で、「自分の力が限界を感じても、自分を責める必要はない。できないなら他に頼めばいい」という言葉があった。日本人は、自分を責めてしまう人が多いのに比べ、アメリカ人は物事をポジティブに考え、周りの人と協力することが多いと感じた。
  • 日本人カウンセラーの方のお話で、看護師という職業はどこも大変でセルフケアが大切だと話されていた。健康であるためにはストレスのない生活が重要であると話されていて、自分の性格と照らし合わせながらどうすればうまくセルフケアができるかなと考える。良い機会になった。
  • アメリカには日本のような医療保険制度がなく、医療費が高額。また、日本のような訪問看護制度も整っていないので、指示がないと介入できない。すべての人に平等な医療を提供するという面では日本の方が優れていると感じた。
  • アメリカ人は自分に必要な情報は自分で得るという姿勢が強いが日本人は受け身な人が多い。インフォームド・コンセントを行う際に違いを感じると思った。
  • 友愛会にて 日本のように地域包括ケアのような制度が整っていないからこそ、このようなデイケアサービスが重要な役割を持つということを学んだ。
  • 看護師になるための試験に受かっても抽選で選ばれる。日本とは全然違って看護師になることの難しさが全然違うと感じた。
  • ナースエイドにもレベルがある。日本よりも細かくレベル分けされていて驚いた。
  • ミッションカレッジ看護学部では、実技練習が多い。モデルで練習してたくさん失敗させ、臨床に出てからなるべく失敗しないような工夫がされている。日本では約半年臨床に出て学ぶが、アメリカではモデルで経験を積みインターンを通して臨床に出るための訓練も重ねる。
  • ミッションカレッジ看護学部の患者モデルが実際の人間の状態に近く、臨床に出てから役に立つ。日本の看護学部では患者役も学生がする事か多い。臨床で特に役立つのはミッションカレッジの方だと感じたが、患者さんの気持ちを理解できるのは日本の方だと感じた。
  • ミッションカレッジ看護学部にて 先生が遠隔操作で人形を動かして、生徒が練習して、その様子を別室で他の生徒がみて話し合う。看護大学では、そういう風に授業していないので新鮮だった。
  • サンノゼ州立大学では、ナース服を着用し、現地の看護学生と一緒にマネキンを使って気管切開をしている患者のカニューレ交換などを行った。看護大では模型を使うか学生同士で演習することが基本であるため、すごく新鮮でありより実践的な演習ができた。
  • サンノゼ州立大学看護学部にて 吸引の練習をさせてもらった。これまで、衛生環境はどこまで配慮されているのか気になっていたが、日本と同じように無菌操作も徹底されていて安心した。

2 異文化体験による学び

 高校と大学の日本語クラスに参加したり、高校の交流会に参加したり、サンノゼ日系人博物館やジャパンタウンを見学したり、ホストファミリーと一緒に過ごしたりする中で、学生は学校文化、言語とコミュニケーション、外国の方との交流、食文化など、自国とは異なる文化的側面を認識することができました。

1年生とホストファミリー
1年生とホストファミリー
2年生とホストファミリー
2年生とホストファミリー
ホストファミリーデーに教会訪問
ホストファミリーデーに教会訪問
ホストファミリーへの日本手料理
ホストファミリーへの日本手料理
ロスガトス高校での発表の様子
ロスガトス高校での発表の様子
サラトガ高校
サラトガ高校
サンノゼ市立カレッジの日本語クラス
サンノゼ市立カレッジの日本語クラス
サンノゼ市立カレッジの日本語クラス
サンノゼ市立カレッジの日本語クラス
サンノゼの日系アメリカ人ミュージアム
サンノゼの日系アメリカ人ミュージアム
ジャパンタウンの仏教教会
ジャパンタウンの仏教教会

学生の記録より

教育機関や制度の違い

  • ロスガトス高校の人と会話をするために図書館に行った。入るときから全体に響く声でしゃべったり、勉強している人に場所を変えてもらったりしていた。日本では図書館は静かにするところだし、勉強している人を優先することが多いため、驚いた。
  • 授業中私語が多くても気にしてない様子だった。日本なら、静かに先生や発表している人の話を聞くという文化なので新鮮だった。
  • サラトガ高校には、様々な国から通う人がいて、神奈川県から単位を取る為に通っている人もいた。アメリカには飛び級制度があったり、幅広い国や地域から通う人がいるので、それぞれの人に合わせた教育ができていると感じた。
  • サンノゼ州立大学での授業にて 先生がデモンストレーションしてくれた。看護大では映像を見るだけなので、先生がデモンストレーションすることで細かいところもみることができてよいと思った。
  • サンノゼ州立大学での授業にて 学生が先生に積極的に意見を述べていた。私たちは積極的に発表したり、先生に意見を言ったりしないので、向上心の違いを感じた。私ももっと積極的になろうと思った。
  • 学食がいろんな国の人に対応したメニューだった。それぞれの文化を尊重した空間だと感じた。
  • ロスガトス高校のダンスパーティに行ったとき、高校生が音楽に合わせて楽しそうに踊ったり、大きな声で歌っていたり、どの場面も新鮮に感じた。日本とアメリカの文化の違いを感じた。

日本語のクラスでの気づき

  • 日本語の文法を外国の人が学んでいるところを初めてみた。よく文法を意識せずに英語を話しているという外国の人がいて、本当かなと思っていた。実際、日本語のクラスをきいていて、「そうだったんだ」と気づかされることが多く、言葉の意味が理解できた。
  • 日本語クラス(Jan Jose City College)の生徒に成人式の振袖の写真を見せたところ、誰よりも驚いてくれた。日本の文化としてやはり着物は代表的なものだと実感した。
  • サラトガ高校の高校生と交流した。すごく大きな高校で大学みたいな広さだった。サラトガ高校の学生は日本のことにすごく興味があり、日本語も上手でコミュニケーションをとるのがとても楽しかった。日本のリズムゲームやアニメが好きな子もいて、自分の国のことを好きと言ってもらえることが嬉しかった。
  • サンノゼ市立大学では日本語を勉強している大学生と交流した。ここの大学もとても大きいと感じたが、現地の学生は小さい方だと言っていてもっとびっくりした。私たちとの交流をとても楽しみにしてくれており、最後には連絡先も交換して写真をたくさん撮り、とても楽しい思い出ができた。

コミュニケーション

  • ウインチェスターミステリーハウスでツアーガイドが最後に、「Have a good day!」と言い、お客が「Thank you Emma!」と返していた。1対1とかで言われることに対し、礼はいうけど、集団の中から気さくに返せるのはすごく気持ちがいいなと感じた。
  • 列に並んでいるのかをフレンドリーに聞いてきた。日本は何も聞かないか、近づいて丁寧に聞くことが多いので、フレンドリーさにびっくりした。
  • 目が合った時に笑顔を向けてくれる。日本では目が合ったらすぐにそらす人がほとんど。
  • スーパーで買い物をしている時、人とすれちがう時に“excuse me”を言っていることに気付いた。日本では軽く会釈するか、小声で「すみません」と言うことが多く、アメリカ人のフレンドリーな性格を感じた。
  • ショッピングモールで、知らない人にも積極的に挨拶して、コミュニケーションを取っていた。日本では知らない人にはあまり挨拶しないので、アメリカ人の積極的に人と関わろうとする姿勢に感心した。
  • 教会で開催されていたイベントにて 初めて来た私たちに対して嫌な顔をする人が一人もおらず、みんなフレンドリーだった。受け入れてくれていると実感ができるのはこれほど嬉しいことなのだとわかった。
  • 店員さんと目が合ったとき、とてもにこやかにHello!と言ってくれたので、思わず笑顔でHello!と返した。日本の場合、目が合ってもそらすだけなので、やはり人の目を見て笑顔で挨拶することは重要だと実感した。
  • 学食にてランチを注文するときに「ホワイトライス」と伝えたはずが、「フライドライス」になっていて、私の発音が悪かったんだろうなと思った。次からきちんと伝わっているか確認していこうと思えたし、これもまた良い思い出だと感じた。

商業施設での気づき

  • お店で会計するとき「端数はいらない」と言われていた。日本でバイトがそんなことしたら問題になるため海外のルーズさに驚いた。
  • 体型を気にせず、自分の好みのファッションをしている人が多いと感じた。日本では体型を気にして本来好きなファッションをしない人も多いのでボディポジティブの考え方が日本にもっと必要だと思った。
  • 金額が小さかったので現金で支払うと、18ドルのお釣りのはずがレジに小銭がないからという理由で0.16ドルだけもらった。全く不満はなかったが、アメリカらしいのかな、日本ではありえないことなのですごいなと思いながら店を出た。

日本人との違い

  • 日本人だからすぐに日本の空港を通ることができた。そのことを中国人が納得できないようで大声で何かを言っていた。少し考えたら理不尽でないとわかることを、公共の場で主張するのがすごいと思った。日本なら、文句があってもだまっていることが多いので新鮮だった。
  • Japanese-American Museumにて 日本人が農業において優れていたことを知った。昔から日本人には技術力があったのだとうことを実際の道具を見る中で知った。
  • Japanese-American Museumにて 日本人が当時生活していた生活の場や空間を見た。トイレに扉がついていなかったり、壁が薄くて生活音が漏れてしまったり、決して満足のいくような生活ではなかったんだなと思ったし、この環境下でいろいろな道具を発明した日本人はすごいなと感じた。案内してくださった方が日本人であることに誇りをもってほしいと話されていたことがとても印象に残っている。

食生活

  • 朝、ホストファミリーとパンケーキを食べに行った。量がとても多くて日本では考えられないと思った。
  • ゲーリーさんがニンニクがたっぷりのったパンを焼いてくれた。ニンニクがガツンときて美味しくてスタミナがついた。私がコロナでプレゼンができなかったこともあり、順子さん家で日本の病院のおもしろい仕組みを説明した。とても緊張したけど、良い機会になった。
  • サンノゼで初めて食べたのは「FIVE GUYS」のハンバーガーとポテトだった。友人とポテトを半分こしようとしていたら、紙袋にとんでもない量のポテトが入っていて本当にびっくりした。スコップのようなもので何回も入れていたので、さすがアメリカン‼と思った
  • レイさん家で初めて食べる朝食。レイさんは中国出身ということから、Chinese スーパーによく行くらしく、出てくる食材もいろんな国の見たことも聞いたこともないものばかりだった。ローズジャムやベビーキャロットなど初めて食べるものばかりですごく新鮮だった。

衛生面

  • ゴールデンゲートブリッジのトイレがとても汚かった。トイレットペーパーがちらかっていたり、ゴミがおちたりしていた。日本では考えられないくらい汚くて驚いた。
  • トイレがすごくつまりやすかった。ペーパーの量を気にしながら流すことはあまりなかったので、とてもこわかった。日本の感覚で使うといけないことがわかった。

インドネシア研修プログラム

「短期海外研修プログラム」の1つであるインドネシア研修プログラムが、令和5年9月1日から9月10日の10日間の日程で開催され、学生4名(2年生1名、3年生3名)、教員1名が参加しました。
新型コロナウイルス感染症拡大により令和2年度から対面での交流を中止していたため、今年は4年ぶりの再開となりました。

研修日程

9月1日(1日目)

福岡空港集合-仁川空港経由-スカルノ・ハッタ空港(ジャカルタ)


9月2日(2日目)

〈インドネシアの文化に触れる〉ガイド同伴によりタマンミニインドネシア・インダー見学


9月3日(3日目)

〈インドネシアの歴史・生活に触れる〉ガイド同伴によるファタヒロ広場見学およびスーパーマーケットでの買い物体験


9月4日(4日目)

〈イッサン大学との交流〉イッサン大学教員による大学概要説明、学生による相互の大学紹介、学内見学、高齢者施設見学


9月5日(5日目)

〈イッサン大学との交流〉イッサン大学学生と一緒に伝統芸能であるバティック体験や国立博物館見学 交流終了後、ブカシに移動


9月6日(6日目)

<メディストラ大学との交流>メディストラ大学教員による大学概要説明、学生による相互の国と大学紹介


9月7日(7日目)

<メディストラ大学との交流>URINDO大学訪問(学生交流・大学見学)、高齢者施設見学


9月8日(8日目)

<メディストラ大学との交流>メディストラ大学学内見学
メディストラ大学学生と一緒に歴史博物館見学、モナス見学


9月9日(9日目)

ブカシからジャカルタまでタクシーにて移動
スカルノ・ハッタ空港-仁川空港


9月10日(10日目)

仁川空港-福岡空港 福岡空港にて解散


1 イッサン大学およびメディストラ大学での研修活動

交流を行ったいずれの大学も、歓迎の舞踊で盛大に迎えていただきました。

イッサン大学では、インターンシップで日本に来る予定の学生さんたちが交流に参加されました。学生さんたちはプレゼンテーションも日本語で行い、渡航前に日本語学習に力を入れて取り組んでいる様子が伝わってきました。

メディストラ大学では、多くの学生さんたちが交流に参加されました。メディストラ大学はコミュニケーション技術に力を入れていると紹介されたとおり、学生さんたちの表情がとても豊かで元気のあるパフォーマンスを披露してくださいました。本学学生のプレゼンテーションにも興味を持ってもらい、多くの質問を受け、本学学生は自国の理解をしておくことの必要性を感じたようです。

メディストラ大学見学では、学習内容のポスター等の教育媒体を学生たちが作成しており、学んだことを他者に伝える能力の高さを感じました。また、看護技術のチェックは個別で受ける必要があり、事例を示された後、患者のアセスメント、物品の準備、看護実践を制限時間内に行いチェックを受けるという説明を聞き、本学の学生は厳しさに驚いた様子でした。

また、メディストラ大学には日本語コースがあるため、特定技能で来日することが決まっている学生さんたちもいました。交流期間中、日本語コースの学生数名が交代で私たちに同伴し、翻訳アプリも活用しながら交流することができました。公式プログラム終了後の時間にも食事に一緒に行くなど楽しい交流をすることができました。学生は韓流ドラマ等の話で盛り上がり、同じようなことに関心を持っていることを感じる一方で、日本に来て働くという明確な目標を持って努力している姿に大いに刺激を受けていました。

イッサン大学での学生交流
イッサン大学での学生交流
イッサン大学での昼食会
イッサン大学での昼食会
メディストラ大学での歓迎の舞
メディストラ大学での歓迎の舞
メディストラ大学でのプレゼンテーションの様子
メディストラ大学でのプレゼンテーション

2 高齢者施設見学

高齢者施設では、同じ施設の中に、自立して生活できる高齢者から寝たきりの高齢者までが入所されていました。スタッフの方の説明では、高齢者が何に興味を持っているのか等、これまでの生活をよく聴いて対応をするなど、個別性を大切にすることを心がけていると話されていました。また、認知症や糖尿病患者の増加という、日本と同じような健康問題があることや、高齢者の介護は家族がするという認識を変えることに施設のスタッフは苦労した話など日本の姿との共通点も感じた体験でした。

3 伝統文化体験等の研修

タマンミニインドネシア・インダーはインドネシア国内34地区(現在4地区増設中)の伝統的な家屋が再現されており、生活用品の展示等がありました。広大な敷地であり全部を見ることはできませんでしたが、インドネシアの民族や文化の多様性を実感することができました。

また、インドネシアはイスラム教徒が約90%であり、人々の生活も影響を受けていることを実感することができました。交流の途中で「お祈りに行ってきます」と言って席を外す方がいたり、ガイドさんも移動中の車の中で「お祈りをします」と言われお祈りをされたりしました。これらの体験は、生活と宗教との関係を身近に感じることができる機会になりました。交通渋滞はかなり酷い状況でしたが、政府がさまざまな対策を取っていることもガイドさんから説明を受け、政策によって市民の生活に与える影響があることなども知ることができました。

タマンミニインドネシア・インダー
タマンミニインドネシア・インダー
バティック体験
バティック体験
モナス塔
モナス塔
メディストラ大学の方とレストランで食事
メディストラ大学の方とレストランで食事

インドネシアの交通状況や治安等を考慮し、学生と教員だけでの行動は避けた研修日程にしました。今回の研修では、交流大学が学生交流や医療福祉関連施設見学のみならず、インドネシアの生活や文化を学ぶ目的での経験プログラムも組み入れてくださいました。今後も両大学との交流を通して、多くの体験、多文化についての理解が深まるような研修にしたいと思います。

台湾研修プログラム

「台湾研修プログラム」は平成31年度にスタート予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となっていました。令和5年度からようやく催行できることになり、令和6年3月20日から3月27日の日程で、学生3名(1年生1名、2年生2名)と教員1名が参加しました。

研修日程

3月20日(1日目)

福岡空港集合-台北桃園空港
空港から中山医学大学手配のタクシーにて台中市の滞在ホテルに移動
ホテルチェックイン後、ホテル近隣を散策


3月21日(2日目)

午前 中山医科大学見学、附属病院見学
昼食会(中山医学大学看護学科教員・学生、目白大学看護学科留学生と一緒)
午後 頸部エコー検査の演習参加 病院ER、緩和ケア病棟、腫瘍科病棟見学 
夕食会(中山医学大学教員・学生、目白大学留学生・教員、本学学生・教員)


3月22日(3日目)

午前 学生交流(本学学生プレゼンテーション実施)、看護技術演習試験見学
午後 外科看護学講義見学


3月23日(4日目)

中山医学大学学生と一緒に市内見学をしながら、台湾の文化や生活に触れる


3月24日(5日目)

中山医学大学教員の案内で日月潭へ。途中、国立曁南国際大学見学


3月25日(6日目)

台北市に移動


3月26日(7日目)

学生企画研修


3月27日(8日目)

台北桃園空港-福岡空港 福岡空港にて解散

1 中山医学大学での研修活動

病棟案内をしてくださった学生さんたち
病棟案内をしてくださった学生さんたち
病院見学では、日本と似ている点もありましたが、伝統的な医療を提供する科があり、MRI等の検査を受ける部署は、がん等の重大な病気と診断される可能性が高い患者が少しでもリラックスして待ち時間を過ごせるように、家具などの調度品が落ち着いた雰囲気のものが利用されており、患者の心理面にも配慮された病院設計となっていました。
病棟見学は、実習中の学生さんたちが案内をしてくださいました。実習ではエンゼルケアや薬剤の使用等も実施しているということでした。病院のシステムの違いや実習方法の違いなどに学生たちは驚いたようです。

学生の記録より

  • 看護学生が実習中に、すでに看護師と同じ看護をしているということに驚いた(採血etc)。また、3年生での実習は先生の指導が入るが、4年生での実習では先輩の指導で行うということを知った。少し怖いと感じる部分もあったが、より早い段階で技術を磨けるチャンスがあるのはよいと思った。
  • 大学も大学病院にも“4階”がないことに驚いた。4は縁起が悪い数字だから。ホテルにもなかった。それだけ数字などの意味が重要視されている文化なのだと分かった。

 

学生による頸部超音波検査の演習とフィジカルアセスメントの技術チェックの演習にも参加しました。ここでは、台湾と日本の看護師の役割の違いに驚いたようです。

また、外科看護の講義にも参加しました。パワーポイントの資料はタブレットに配信してあり、授業は講義だけでなく、実物機材を講義室に持ち込み、教員がデモをされていました。教員の技術を講義室前方の学生は携帯で撮影しており、自己学習に活用するのだと思いますが、積極的な態度や学び方の似ているところや違いにも驚いていました。

学生の記録より

  • 中山医学大学の看護学部では看護大でいうポートフォリオのような小さな冊子を活用しており、実技実習のたびに先生が日付と印をつけてくれると知った。2学年の人が学ぶ内容も私たちと似ていてとても驚いた。
  • 私たちが普段、演習や実習でよく取り組むような患者のケア(清拭、食事介助etc)は看護師はあまり介入せず、家族や介護者がその役割をしているということが分かった。日本と台湾では看護師の役割が大きく違うのだと分かった。
  • 大学の授業は、私たちが普段受けているようなプロジェクタを使った授業だった。ノートやプリントを使っている人もいれば、タブレットなどの電子機器を使っている人もいた。私たちの大学に比べ授業の受け方が自由で自分のペースで進んでいるように感じた。
  • 学生の中には様々な年齢の人がおり、別の科から編入してきた人などもいた。それぞれの目標や夢、レベルアップを目指して学校に通っていてかっこいいと思った。
  • 看護学部について紹介してもらった。実際に針を使った授業(注射)の映像を見せてもらった。2年生ですでに人に対して注射をしていて驚いた。授業形式は似ていても、その内容やカリキュラムが大きく異なっているように感じた。日本→患者を支える看護、台湾→医師のサポート?のための看護
頸部エコーの演習の様子
頸部エコーの演習の様子
外科看護の講義に参加
外科看護の講義に参加
中華医事科技大学の先生方との写真
中華医事科技大学の先生方と
休憩時間に学生さんと交流している様子
休憩時間に学生さんと交流

2 台北市での研修活動

学生は、台湾の歴史、文化、生活を感じ、学ぶことができることを考え、学生企画研修を行いました。そこからも多くのことを学んだようです。

学生の記録より

  • 歩いたり、店で買い物をしたりしていると、日本語で話しかけてくれたり、親切に案内をしてくれたりする方がとても多いと感じた。日本の文化が好きだといってくれる現地の人も多く、とても誇らしく思った。
  • ホテルの近くを歩いて買い物をしながら、台湾には古い建物や歴史ある建物、とても新しい建物など様々なものが混ざり合って並んでいるなと感じた。
  • 国立台湾博物館では、台湾の歴史や環境について学んだ。資源や文化がとても豊かな国であるのだと分かった。また、現地の人々がそれを大切にしている思いも伝わってきた。日本人が昔、影響したこともたくさんあると学んだ。良い面も悪い面も、台日関係に限らず、国外の人と接するときは相手を尊重できるように知識をつけたいと感じた日でもあった。
  • 台湾の夜の街を歩き、お店でご飯を食べている人がたくさんおり、やはり台湾は外食文化があるのだと改めて感じた。コンビニをよく見かけるが、確かにスーパーのようなお店を見かけなかった。小さなお店(飲食店)がたくさんある感じで、日本の商店街とはまた違うと感じた。台湾人の生活スタイルに合わせ街並みもこのようになっているのだと大変納得した。
中正記念堂にて
中正記念堂にて
夜市
夜市

宮崎から台湾への航空機の直行便廃止もあり、研修プログラム費用の高騰を考慮し、コロナ禍前に計画していた内容を修正してのプログラムとなりました。初めての研修プログラムでしたので、今後、より体験が広がるような内容にしていきたいと思います。

チェンマイ大学看護学部留学生受け入れプログラム

このプログラムは、タイのチェンマイ大学看護学部からの留学生を受け入れることにより、本学学生が国際交流の場を得て、異文化理解を深めること、留学生には、日本の文化や生活体験の場を提供することを目的としています。 

2006(平成18)年度よりチェンマイ大学での研修プログラム、2008(平成20)年度よりチェンマイ大学生の受け入れプログラムを開始し、交換留学プログラムとして実施されています。令和6年度は5月19日から25日の1週間、学生5名と引率者1名をお迎えしました。  滞在中は、本学学生宅にホームステイをしました。

留学生は、本学での講義や演習への参加、宮崎市内の病院・施設などを見学しました。各施設のスタッフの地域の方々との交流や学生宅でのホームステイを通して、日本の生活や慣習に触れることができました。また、本学学生にとりましてもホストを体験した学生だけでなく、他の学生も交流するさまざまな機会を持つことができ、海外への興味・関心を広げることができました。

 

ホスト学生の声

2年生 市來 仁織

私は、海外研修に参加したいと考えていました。しかし、海外へ行った経験がなく、英語もそれほど得意ではなかったため、参加しても大丈夫だろうかと迷っていました。そのような時にタイのチェンマイ大学学生のホスト募集のお知らせを聞いて、ここで海外の人とのコミュニケーションを少しでも経験しておきたい、友人ができれば、自分が海外研修でタイに行くことになった時に心強いだろうと考え、応募しました。高校までに習った英語の知識がどれだけ役に立つだろうか、しっかりと話を繋げられるだろうか、母国から離れる留学生にとってリラックスできる環境を提供できるだろうかと心配事が尽きませんでした。

留学生達が宮崎に到着した1日目、最初は実際に話そうとすると習ったはずの単語や勉強したはずの英語がなかなか出てきませんでした。しかし、知っている単語を繋げてジェスチャーなども駆使してなんとか伝えようとすると相手も頑張って理解しようとしてくれて、コミュニケーションを十分にとることができました。コミュニケーションをとる上で大切なことは、英語ができないと思って会話を諦めるのではなく、とにかく口に出して言ってみることだと感じました。

大学の講義が終わった後は観光地に行ったり、ショッピングをしたり、夜は外食をしたり、一緒に料理を作ったり、普段友達と遊ぶ時のような感覚で、1週間という時間では足りないほど楽しい時間を過ごすことができました。お互いの国のことを話したり、簡単なフレーズを教え合ったりして、1日1日が非常に充実していて、私にとっても貴重な経験をすることができました。また、同じホストボランティアという立場から、これまで交流が無かったクラスメイトや先輩方とも繋がりを持つこともできました。心配していた海外研修は研修先をタイにしたため、今回宮崎に来てくれた学生たちにまた会えることを考えると、今では楽しみの方が大きいです。

みんなでご飯を食べに行った時の写真
観光地に連れて行った時の写真
みんなで温泉に行った時の写真
花火をした時の写真

 

1年生 下新原 愛音

「楽しそう!」と思ったのがホストボランティアに応募したきっかけでした。もともと国際交流に興味があったため、初めから不安は全くなく、チェンマイ大学の学生さんを迎えました。

日本に来る1週間ほど前からメールやLINEで連絡を取っていたので、どんなことをしたいかなど、事前に計画を立てられたことは後々役に立ったと思います。

初めて会った瞬間は、何を話そうか迷ったり言いたい英語が出てこなかったりしましたが、同じホストの先輩方に支えられ、1日目を終えました。家では特に困ることもなく、一緒に皿洗いをしたり洗濯物を干したり、むしろいつもより楽しく快適に過ごすことが出来ました。朝は自転車で通学し、2人で写真を撮り合ったり通学路にある建物や街の説明をしたりして、ジェスチャーが使えないのでかなり英語力が鍛えられたと思います。5日目くらいには、留学生が私に学校までの道を案内できるまでになりました。学校が終わった後は、ご飯を食べに行ったり、ショッピングに行ったり、花火をしたり、充実した時間を過ごしました。メニューをすべて英語で説明するのは難しかったので翻訳アプリを使うこともありましたが、ほとんどジェスチャーと自分なりの英語表現で伝えることが出来たと思います。

約1週間一緒に過ごしてみて、今、楽しかった思い出ばかりが思い浮かんでいます。お互いの誕生日にはプレゼントを送りあったり、LINEで連絡を取りあったり、歳が5歳離れているので姉妹のような関係になりました。この機会がなければ出会うことはなかったと思うので、応募してよかったと心から思っています。来年、タイに旅行に行こうと思っているので再会出来る日が楽しみです。

ご飯を食べに行った時の写真
花火をした時の写真
青島に行った時の写真