台湾研修プログラム

「台湾研修プログラム」は平成31年度にスタート予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となっていました。令和5年度からようやく催行できることになり、令和6年3月20日から3月27日の日程で、学生3名(1年生1名、2年生2名)と教員1名が参加しました。

研修日程

3月20日(1日目)

福岡空港集合-台北桃園空港
空港から中山医学大学手配のタクシーにて台中市の滞在ホテルに移動
ホテルチェックイン後、ホテル近隣を散策


3月21日(2日目)

午前 中山医科大学見学、附属病院見学
昼食会(中山医学大学看護学科教員・学生、目白大学看護学科留学生と一緒)
午後 頸部エコー検査の演習参加 病院ER、緩和ケア病棟、腫瘍科病棟見学 
夕食会(中山医学大学教員・学生、目白大学留学生・教員、本学学生・教員)


3月22日(3日目)

午前 学生交流(本学学生プレゼンテーション実施)、看護技術演習試験見学
午後 外科看護学講義見学


3月23日(4日目)

中山医学大学学生と一緒に市内見学をしながら、台湾の文化や生活に触れる


3月24日(5日目)

中山医学大学教員の案内で日月潭へ。途中、国立曁南国際大学見学


3月25日(6日目)

台北市に移動


3月26日(7日目)

学生企画研修


3月27日(8日目)

台北桃園空港-福岡空港 福岡空港にて解散

1 中山医学大学での研修活動

病棟案内をしてくださった学生さんたち
病棟案内をしてくださった学生さんたち

病院見学では、日本と似ている点もありましたが、伝統的な医療を提供する科があり、MRI等の検査を受ける部署は、がん等の重大な病気と診断される可能性が高い患者が少しでもリラックスして待ち時間を過ごせるように、家具などの調度品が落ち着いた雰囲気のものが利用されており、患者の心理面にも配慮された病院設計となっていました。
病棟見学は、実習中の学生さんたちが案内をしてくださいました。実習ではエンゼルケアや薬剤の使用等も実施しているということでした。病院のシステムの違いや実習方法の違いなどに学生たちは驚いたようです。

学生の記録より

  • 看護学生が実習中に、すでに看護師と同じ看護をしているということに驚いた(採血etc)。また、3年生での実習は先生の指導が入るが、4年生での実習では先輩の指導で行うということを知った。少し怖いと感じる部分もあったが、より早い段階で技術を磨けるチャンスがあるのはよいと思った。
  • 大学も大学病院にも“4階”がないことに驚いた。4は縁起が悪い数字だから。ホテルにもなかった。それだけ数字などの意味が重要視されている文化なのだと分かった。

学生による頸部超音波検査の演習とフィジカルアセスメントの技術チェックの演習にも参加しました。ここでは、台湾と日本の看護師の役割の違いに驚いたようです。

また、外科看護の講義にも参加しました。パワーポイントの資料はタブレットに配信してあり、授業は講義だけでなく、実物機材を講義室に持ち込み、教員がデモをされていました。教員の技術を講義室前方の学生は携帯で撮影しており、自己学習に活用するのだと思いますが、積極的な態度や学び方の似ているところや違いにも驚いていました。

学生の記録より

  • 中山医学大学の看護学部では看護大でいうポートフォリオのような小さな冊子を活用しており、実技実習のたびに先生が日付と印をつけてくれると知った。2学年の人が学ぶ内容も私たちと似ていてとても驚いた。
  • 私たちが普段、演習や実習でよく取り組むような患者のケア(清拭、食事介助etc)は看護師はあまり介入せず、家族や介護者がその役割をしているということが分かった。日本と台湾では看護師の役割が大きく違うのだと分かった。
  • 大学の授業は、私たちが普段受けているようなプロジェクタを使った授業だった。ノートやプリントを使っている人もいれば、タブレットなどの電子機器を使っている人もいた。私たちの大学に比べ授業の受け方が自由で自分のペースで進んでいるように感じた。
  • 学生の中には様々な年齢の人がおり、別の科から編入してきた人などもいた。それぞれの目標や夢、レベルアップを目指して学校に通っていてかっこいいと思った。
  • 看護学部について紹介してもらった。実際に針を使った授業(注射)の映像を見せてもらった。2年生ですでに人に対して注射をしていて驚いた。授業形式は似ていても、その内容やカリキュラムが大きく異なっているように感じた。日本→患者を支える看護、台湾→医師のサポート?のための看護
頸部エコーの演習の様子
頸部エコーの演習の様子
外科看護の講義に参加
外科看護の講義に参加
中華医事科技大学の先生方との写真
中華医事科技大学の先生方と
休憩時間に学生さんと交流している様子
休憩時間に学生さんと交流

2 台北市での研修活動

学生は、台湾の歴史、文化、生活を感じ、学ぶことができることを考え、学生企画研修を行いました。そこからも多くのことを学んだようです。

学生の記録より

  • 歩いたり、店で買い物をしたりしていると、日本語で話しかけてくれたり、親切に案内をしてくれたりする方がとても多いと感じた。日本の文化が好きだといってくれる現地の人も多く、とても誇らしく思った。
  • ホテルの近くを歩いて買い物をしながら、台湾には古い建物や歴史ある建物、とても新しい建物など様々なものが混ざり合って並んでいるなと感じた。
  • 国立台湾博物館では、台湾の歴史や環境について学んだ。資源や文化がとても豊かな国であるのだと分かった。また、現地の人々がそれを大切にしている思いも伝わってきた。日本人が昔、影響したこともたくさんあると学んだ。良い面も悪い面も、台日関係に限らず、国外の人と接するときは相手を尊重できるように知識をつけたいと感じた日でもあった。
  • 台湾の夜の街を歩き、お店でご飯を食べている人がたくさんおり、やはり台湾は外食文化があるのだと改めて感じた。コンビニをよく見かけるが、確かにスーパーのようなお店を見かけなかった。小さなお店(飲食店)がたくさんある感じで、日本の商店街とはまた違うと感じた。台湾人の生活スタイルに合わせ街並みもこのようになっているのだと大変納得した。
中正記念堂にて
中正記念堂にて
夜市
夜市

宮崎から台湾への航空機の直行便廃止もあり、研修プログラム費用の高騰を考慮し、コロナ禍前に計画していた内容を修正してのプログラムとなりました。初めての研修プログラムでしたので、今後、より体験が広がるような内容にしていきたいと思います。