研究科長挨拶

久野 暢子
研究科長
久野 暢子

 宮崎県立看護大学大学院看護学研究科は、2001(平成13)年に修士課程を開設して以来、四半世紀にわたり看護学の探究と実践的教育を重ねてきました。この間、社会や医療の在り方は大きく変化し、看護職に求められる責務や専門性も日々進化しています。
私たちは、こうした変化の中でも、看護学として決して見失ってはならない本質を問い直しながら、健康支援における課題を研究という形で可視化・一般化し、その成果を実践の現場へと還元していける人材の育成を目指しています。加えて、研究の積み重ねが看護学の発展に繋がることを強く信じ、日々教育と研究に取り組んでいます。
2005(平成17)年には博士後期課程を開設し、これに伴い修士課程を博士前期課程に改称しました。この課程には2022(令和4)年より保健師養成を目的とした実践者養成コースも設置しました。院生一人ひとりの関心や学修段階に応じた学びができる環境とカリキュラムを整えています。
本研究科では、多くの大学院生が仕事と学びを両立させながら日々研鑽を積んでいます。入学前に想像していた以上に、時間的・体力的に厳しいと感じる場面もあるかもしれません。しかし、その努力の先には、志を同じくする仲間との深い議論や、試行錯誤の末に何かを発見する知的な喜びが待っています。それらは、自らの成長を実感し、自信や誇りにつながる大切な経験となるはずです。
看護学における研究活動は、研究対象者や研究協力者の皆さまをはじめ、多くの方々との関わりによって支えられています。その支援への感謝を常に心に留めながら、他分野の研究者との学び合いにも積極的に取り組んでほしいと願っています。大学院でのこの特別な時間が、皆さまにとってかけがえのない学びの場となることを心から期待しています。
私たち教員もまた、一研究者として皆さまと共に悩み、学びながら、成長してまいります。